一歌談欒Vol.2まとめ
ある一首の短歌について、みんなで好きなことを語っていこうという企画、「一歌談欒」、第二回の参加エントリーまとめです。
今回は、
3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって(中澤系)*1
という短歌についてみなさんに語っていただきました。
以下に、個別記事へのリンクをまとめておきます(Twitterにハッシュタグ付きツイートが投稿された順)
本条さん。
下の句の表現について、様々な可能性を提示しながら考察し、感じたことをまとめています。
遠音さん。
この歌から感じた死のにおいとそれに対する恐怖について。
五條ひくいちさん。
フロイトを援用しつつ、「死への魅力」を軸にこの歌を読み解いています。
【一歌談欒 vol.2 】ポエジーに触れるということ - ひくいちの研究室
本多響乃さん。
短歌を頭から読みながら、その文字列から受ける印象を語っています。文学フリマ東京2016、足を運べるかたは、是非。
中本速さん。
テンポのいいリズミカルな文体で、「理解できない人は下がって」について語っています。
さはらやさん。
快速電車を理不尽な社会の象徴と捉え、「下がって」という言葉の解釈に独自性があります。
なべとびすこさん。
今回のテーマ短歌の発案者でもあります。暗いイメージで読まれることの多いこの歌をポジティブにとらえています。さはらやさんの読みとも通じる部分あり。
中家菜津子さん。
短歌結社誌「未来」掲載の過去記事をツイートしていただきました。
未来の中澤系特集で書いた原稿貼っておきますね。#一歌談欒 pic.twitter.com/4twn8QPNqS
— 中家菜津子 (@NakaieNatsuko) 2016年11月5日
宮本背水さん。
テーマ短歌が伝えるメッセージは「伝わらないメッセージ」だとした上で、「理解できない人」に対して「理解できる人」、加えて「理解しようとした人」という存在を仮定して考察しています。
太田青磁さん。
テーマ短歌の鑑賞から入り、収録歌集『uta0001.txt』にも言及されています。
.原井。
下の句「理解できない人は下がって」の伝えるメッセージと、この発話が成される場について考察してみました。
中山とりこさん。
作者である中澤系さんのプロフィール等をもとに短歌を読み解こうという試み。ご本人がこの歌から思い出したエピソードも。
中澤瓈光さん。
テーマ短歌の作者である中澤系さんの妹さんからもご寄稿いただけました。この歌を通して、中澤系さんについての短いエッセイです。
#一歌談欒 2 3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって 中澤系 (『uta0001.txt』(新刻版)、双風舎)
Ryotaさん。
ミシェル・ゴンドリーの手によるミュージックビデオを引用しながら仕上げられたエッセイは、読者のものの感性に揺さぶりをかけるようです。
冨樫由美子さん。
テーマ短歌の「改悪例」を示すことによって、表現の「かけがえのなさ」を指摘。
えんどうけいこさん。
下の句「理解できない人は下がって」から感じる冷たさについて。
朝胡さん。
テーマ短歌をもとに掌編小説を書いていただきました。
kazaguruMaxさん。
「理解」という語について、感じることを様々書いていただきました。
堂那灼風さん。
短歌の宗教的・精神的性格から切りこんで、テーマ短歌を考察しています。
安堂霊さん。
テーマ短歌の言葉の冷たさと無機質さについて。
ナタカさん。
ひとつのツイートに収まる分量で完結に語っていただきました。
電車が通過すること(撥ねられたら死ぬこと)が理解できない人は下がって、の意味だと思っていた。「死ぬことの重みが分からない人は下がれ」というときつい言い方に思えるけれど、「あまり簡単に死のうとするな」と解釈すると厳しさばかりでない優しさを見いだすことができるかもしれない。#一歌団欒
— ナタカ (@natakauta) 2016年11月6日
西淳子さん。
「なぜ3番線なのか?」「理解できる人は?」というふたつの問いについて。
みちくささん。
「駅のアナウンス」からマニュアル社会を連想し、それを軸にテーマ短歌を読んでいます。
カメヤママコトさん。
「ディストピア」をキーワドにこの短歌について語ったツイートです。
#一歌談欒 として昔3番線の歌について書いたツイートを引用してみる。 https://t.co/ipf5rn8627
— カメヤマ マコト (@nukimidaru) 2016年11月6日
麟太さん。
テーマ短歌をもとにした、駅のホームを舞台にしたエッセイのような小説のような。思索的ですがどこか詩的な雰囲気のある文章です。
以上、24名(僕を除く)の方にご参加いただきました。ありがとうございます。
一歌談欒、今後もどうぞよろしくお願いいたします!
なお、一歌談欒ではテーマ短歌を募集中です。「この短歌が好きだからみんなにもかってほしい」「この短歌、よくわからないからみんなの意見が知りたい」「いいから俺の歌を読め」等、読んで語りたい短歌を.原井(Twitter ID:@Ebisu_PaPa58)までお寄せくださいませ!