人生ぬるま湯主義

つれづれなるままに以下略

ネネネさんはこんな短歌を詠んでいるんだぜ(20選シリーズ)

「ねえ先輩、酔ったふりしてキスをした女のことをどう思います?」

 

少しだけのんびり二度寝をした春にあの子は泣いてた ごめん、ごめんね。

 

失敗は大失敗に隠せって前に何かの本で読んだよ

 

友達の境界線を飛び越えてこっちに来てよ、ねえほらはやく

 

降る雨の音をいっしょに数えたり いびつな形でつながったり、した

 

抱きしめてキスする前に言わなくちゃいけないことがあるんじゃないの

 

ヘルメットごしではキスはできなくて左ほっぺのえくぼを見てた

 

運命はないと思って生きている あたしの未来はあたしがつかむ

 

友達の家に泊まるよなんて嘘もう何度目か忘れちゃったよ

 

どうしてもあなたじゃないとダメらしい どうやらわたしは一途なようで

 

ほんとうは泣いて喚いてすがりたい でもほらそれは、美人のすること

 

あの人は恋人と行く旅先でいつもわたしに絵葉書を買う

 

ほっとして、緊張してまたほっとして、スーツの体が重たい電車

 

同じ服 同じ髪型 同じ顔 同じ理由の志望動機で

 

限られた天才たちのためだけに僕らのような凡人がいる

 

あの人のバイクの後ろに乗るまではわたしほんとに「いい子」だったの

 

ぜったいに忘れられない気がしてた だってあんなにキスをしたのよ

 

しばらくは聴けない歌もありますが、涙は出ません、大人ですから。

 

ねむれない夜もあったし前なんて向けない日々もあったんだった

 

前にしか進んじゃいけないわけじゃない 後戻りだってちゃんと勇気だ

 

(written by ネネネ:http://www.utayom.in/users/1149

 

 

 

ネネネさんの短歌には、不器用な恋の歌が多い。それは相手の気持ちの問題でままならない恋の歌であったり、盲目的に幸せに浸ってしまうことができない、なぜか冷静になってしまう主体の歌だったりする。あと、キスが詠みこまれた歌も多くて、それがどれも素敵な歌なのが魅力だ。

時々は強気になってみせるけど、基本的には必死でもがいて何とか息継ぎをしようとしている、その必死さに胸を打たれてしまう、みたいな短歌の数々。

うたよみんに投稿してある短歌の中からまとめようと思っていたのだけれど、Twitterにだけ投稿されていた短歌をチェックしてみたら、そちらにもいい歌が多かったので、うたよみんには投稿されていない短歌も使って20首並べてみました。

 

ぜったいに届かないって知っていて伸ばした腕が下せないまま (根本博基)